ホウレンソウの鉄分は吸収されづらい!?2>
ベジタリアンが不足しがちな栄養素としてまず挙げられるのが、タンパク質。糖質、脂質と並んで3大栄養素の1つに挙げられるタンパク質は体内でアミノ酸に分解されるんですが、このアミノ酸は人間の髪や爪、筋肉、内臓などの主成分。人間の体を作っていると言っても過言ではないこの栄養素が欠けてしまったら大変なのは、ちょっと考えれば分かりますよね… 。髪や爪などにもかかわるとなると、女性であれば美容的にとても気になるところですし。このタンパク質、基本的には肉や魚、卵などに多く含まれるんですが、ベジタリアンでもタンパク質をきちんと摂取できる食べ物はあります。それはズバリ、豆や豆腐などの豆製品!ですから、ベジタリアンはできるだけ豆をきちんと摂らないとダメなんです。
次にベジタリアンが不足しがちなのが鉄分。鉄分は血液中で赤血球の中の「ヘモグロビン」という形になりますが、このヘモグロビンは体中の組織に酸素を運ぶという重要な役目を担っています。野菜でもホウレンソウなどは鉄分が豊富なんですが、赤み肉などに豊富に含まれる鉄分と比べると、非常に体内で吸収されづらいという特徴があるんです。ただ、植物性の鉄分も調理の仕方や他の食べ物との組み合わせによっては吸収率がよくなります。例えば納豆や味噌などの発酵 食品と一緒に摂ると、鉄分の吸収率はよくなります。反対に、米やゴマ、小麦な どに多く含まれるフィチン酸やコーヒー、お茶などと一緒に摂ると、鉄分の吸収 率は悪くなります。ちなみに、玄米にもフィチン酸は多く含まれますが、発芽玄米にはフィチン酸がほとんど含まれていないので、ベジタリアンはご飯を食べるなら発芽玄米が断然いいでしょう。
いずれにしても野菜に含まれる鉄分は吸収がどうしても悪いので、鉄分が含まれる野菜は多めに食べるのがおすすめです!
ホウレンソウのカルシウムも
吸収されづらい?
ベジタリアンは亜鉛も不足しがち。亜鉛は肉や魚、全粒粉などに多く含まれますが、体の新陳代謝や成長を促したり、酸化の抑制をしたりする非常に重要な栄養素です。ただ、大豆やカシューナッツ、ヒマワリの種には亜鉛が含まれているので、ベジタリアンは積極的に食べる必要がある食品です。また、野菜や玄米 などの穀類には亜鉛の吸収を阻害する働きがあります。しっかりと洗うことで阻害物質は減るので、食べる前にはしっかり水で洗い流すようにしましょう。
カルシウムにも注意が必要です。ホウレンソウやケール、スイスチャードなど にはカルシウムが豊富に含まれていますが、同時に「シュウ酸塩」というカルシウムの吸収を妨げる物質も含まれています。ですから、これらの野菜をカルシウム目的で食べるとちょっと期待はずれで、豆乳や豆腐、豆類、アーモンドなどでカルシウムを補うのがベジタリアンにとっての正しい食事法なのだとか。
最後に、多くのベジタリアンが不足していると言われる栄養がビタミンB12です。貝類やレバーなどに豊富に含まれるビタミンB12ですが、植物性の食物でビタミンB12が多く含まれるものはほとんどないとか。ただ唯一、海苔には豊富にビタミンB12が含まれているほか、納豆などの発酵食品にも微量ながらビタミンB12が含まれているそうです。どちらも日本人にとっては取り入れやすい食材ですね。
さて、野菜やフルーツをたっぷり食べているベジタリアンだからといって、栄養 バランスが取れているわけではないことはお分かりいただけましたか?ただ、正しい知識を持っていれば足りない栄養も十分補うことができますから、これからベジタリアンになりたい方、また既にベジタリアンという方も、上記のようなことに注意しながらベジタリアン生活を楽しんでいきましょう!
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