日本

北アルプス国際芸術祭の巡り方

北アルプス国際芸術祭(大町)

小ぶりだけど、質は高い!

2022年の瀬戸内国際芸術祭をきっかけに、日本の芸術祭にハマり、帰国の度にあちこち訪れています。
2024年にはわたしの地元である長野で「北アルプス国際芸術祭2024」が開催されました。

瀬戸内国際芸術祭、大地の芸術祭(新潟・越後妻有)と同じく北川フラム氏が総合ディレクターを務める芸術祭で、2017年にスタートし、2024年は第3回目。
11の国や地域から、36組のアーティスト・37点の作品が参加しました。

他の芸術祭と比べると小ぶりですが、アートの質は高いし、運営体制も整っています。

この辺りの名物・名所は「温泉」「蕎麦」「ジビエ(鹿肉)」「黒部ダム」。
東京からも近く、2日あれば全作品を堪能しながら+αの観光もできるので、週末旅にもおすすめです。

MAYのお気に入り3作品

㉚ 《Tangible Landscape》(目 [me])

鷹狩山山頂の空き家を改造して造られた作品。
白い洞窟のような、かまくらのような建物はその構造も、窓から見える景色も素晴らしい!
駐車場(P1)からの階段の道のり、建物の庭からの景色も含めて味わっていただきたいです。

この窓から覗く景色が本当に圧巻でした
P1駐車場から会場までの階段
「ガンバって」にほっこり

④ 《時に宿る / Staying in Time》(山本基)

開催地である大町は、日本から塩を運ぶ千国街道の宿場地として栄えた街だそう。
塩を固めて造られたこの作品は息をのむほどの繊細さと美しさを感じます。
(塩が飛ばないように、実際に息を殺しながら鑑賞してしまいましたw)

会場の「塩の道 ちょうじや」は塩問屋であった平林氏の旧住居。
その建物自体もとっても興味深いのでぜひそちらも。

山側のうっすら雪化粧のようにグラデーションがかった部分も必見
会場の「塩の道 ちょうじや」

⑬ 《道がぶつかる時 / When Our Paths Collide》(ダナ・アワルタニ)

「この辺りは熊が出ますので」と受付で熊鈴を渡されつつ、林の中を進むと大きな白いキューブが!
塩の結晶構造からインスピレーションを得た作品は、幾何学的でなんとも神秘的。
白濁の小川に沿って林を進むと、という作品までの道のりも含めてとってもステキでした。

5つのエリアに、アート作品が点在

信濃大町駅を中心に「市街地エリア」、西側に「ダムエリア」と「源流エリア」が、北側に「仁科三湖エリア」、東側に「東山エリア」があります。

各作品の鑑賞料は300円なので、会期中に10作品以上鑑賞する予定がある場合は、パスポートが便利。
※④は別途入館料が必要
※パスポート提示で1回目は無料、2回目以降の鑑賞料は100円引き

最初にインフォメーションセンター(3箇所あり)でパスポートを購入し、無料のマップをもらってからスタートするのがおすすめ。

パフォーマンスアートは期間限定で鑑賞できます。
気になるパフォーマンスは事前に調べ、その日に合わせて訪れましょう。

市街地エリア

② 《熱の連帯(足湯)/ Heat Solidarity》 (村上慧)
④《時に宿る》(山本基)
⑧ 《アフタリアル02》(千田康広)
⑨ 《Library of Wooden Hearts》(マリア・フェルナンダ・カルドーゾ)

源流エリア

⑬ 《道がぶつかる時》(ダナ・アワルタニ - )
⑲ 《空の根っこ -Le Radici Del Cielo-》(宮山香里)

仁科三湖エリア

㉑ 《ささやきは嵐の目のなかに》(ケイリントン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット)
㉔ 《水の記憶》(アレクサンドラ・コヴァヴァ&佐藤敬 / KASA)

東山エリア

㉗ 《記憶の眠り》(佐々木類)
㉘ 《黒い跡》(ソ・ミンジョン)
㉚ 《Tangible Landscape》(目 [me])
㉛ 《Folding》(ルデル・モー)
㉜ 《竹の波》(ヨウ・ウェンフー)
㉞ 《相阿弥プロジェクト モノクローム - 大町》(イアン・ケア)

北アルプス国際芸術祭の巡り方

もっとも効率的なのは自家用車・レンタカーで周ること。
わたしは1日で18作品を巡りました。
1泊2日で温泉宿に泊まりながら、地元の名物を食しつつ、全作品を堪能するのがおすすめ。

山道だし、あまり運転したくない...という方は、アートバスやオフィシャルツアーを利用すると良いでしょう。

アートバスで半日ずつ

3つのコースが、午前・午後で約3時間半ずつで用意されています。
いずれのコースも午前便と午後便の間に約1時間の空き時間があるので、「午前はAコース→昼食→午後はCコース」というように1日2コースに参加することも可能です。

Aコース:仁科三湖エリアと東山エリアの北側を巡るコース(㉗㉘⑳㉑㉔㉕㉖)
Bコース:仁科三湖エリア・源流エリア・ダムエリアを巡るコース(⑫⑪⑯⑰⑱⑮⑬㉒)
Cコース:東山エリア・源流リアの南側を巡るコース(⑲㉞㉝a㉛㉜㉚㉙)

全コース、信濃大町駅前のインフォメーションセンターの発着。
各コース2,500円で事前の予約が必要です(公式HPにて)。
当日でも空きがあれば同インフォメーションセンターで当日券を購入することも。

長野駅発着のオフィシャルツアーという手も

地元のガイドさんに、町やアートの解説をしてもらいながら9作品を巡りつつ、事前予約が必要な大人気の公式カフェ&レストランYAMANBAでの昼食付き、という堪能ツアーも用意されています。

終盤には、複数の作品が展示されている旧大町北高等学校と信濃大町駅に停車するので、いずれかで降車し、徒歩で自由に見て回れます。

長野駅→㉗㉘㉑㉕㉖ → YAMANBAで昼食 → ⑫⑲㉞㉜ → 旧大町北高等学校 → 信濃大町駅 → 長野駅

参加費は12,000円で事前の予約が必要です(公式HPにて)。

北アルプス国際芸術祭

長野県大町市で3年に1度開催されるトリエンナーレ。
下記情報は2024年開催時の情報をもとに記載しています。

会期:秋に約2ヶ月間(2024年は9月13日〜11月4日)開催
時間:9:30〜16:30
定休:毎水曜日
料金:1アートサイト300円 / パスポート 一般3,000円(前売 2,500円・会期前日までに購入のこと)

公式サイト:https://shinano-omachi.jp/
パートナー事業による作品案内サイト:https://naaf2024.kita-alps.info/
公式ガイドブック:アマゾンやRakutenで購入可能(1,200円)

パフォーマンスアート(2024年開催)
㉟ 《ヒッチハイカー季節(冬)》(アオイツキ)...2024年9月14日・15日
㊱ 《NEO KAGURA》(Torus Vil.)...2024年10月4日・5日
㊲ 《equal》(マームとジプシー)...2024年10月12日・13日・14日

作品の説明、駐車場の地図(Google Maps連動)でとても便利
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MAY

東京でWebマーケティング・ECコンサルに従事した後、2011年に長年の夢であった海外生活をすべくロサンゼルスに移住。現在はフリーランスとして旅をしながら様々なWebプロジェクトやアテンド案件に参画。
趣味:街散策(#しべさんぽ)、ロードトリップ、キャンプ、国立公園巡り、イベント巡り(特にフェスと映画祭)、西海岸メイドの素敵なブランドを発掘すること。

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