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コーヒーの効能とは?コーヒーって健康にいいの?

05/22/2016

Stumptown Coffee RoastersやBlue Bottle Coffeeなど、西海岸発祥のサードウェーブコーヒーが、アメリカはもとより日本でも流行りまくっているのはご存知の通り。世界各国のコーヒーの消費量を見ても、1位のEU(約2500万トン/年)に続いて、アメリカは2位(約1425万トン/年)、そして日本も3位のブラジル(約1260万トン/年)に続いて4位(450万トン/年)ということで、アメリカも日本も世界有数のコーヒー消費国なんです。

かくいう僕Tottiも大のコーヒー好きで、毎朝フレンチプレスでStumptownの豆を使ってコーヒーを入れています。でも、食べ物のあれがいい悪いって、連日さまざまな異なる研究結果が発表されていて。コーヒーに関しても体にいいと言われたり悪いと言われたり、「結局いったいどっちなの?」って思いませんか?…ということで、今回は現時点で分かっているコーヒーのいいところ、悪いところを集めてみました。

コーヒーのいいところ

コーヒーの効能(いいところ)を挙げていきますね。まずはライトなところから。

覚醒作用がある
コーヒーに含まれるカフェインは中枢神経(脳と脊髄)を刺激、興奮させ、眠気を抑制してくれる覚醒作用があります。ま、誰もが知っている効果ですね。ただ、毎日コーヒーを飲んでいると人間の体はカフェインに耐性ができてくるため、飲む頻度を減らすか量を増やすかしないと覚醒作用は弱まっていくと言われています。

脳を活性化&リラックスさせる
カフェインの効果だけでなく、コーヒーの香りが脳の働きを活性化させるという実験結果があります。さらに、コーヒーの香りを嗅ぐと脳内にアルファ波が生じて、リラックスするという実験結果もあるそうです。…てことは、極論、スターバックスに入ってジュースを飲んでいてもコーヒーの香りで頭が働くってことでしょうか。たしかに、感覚的にはそういうふうに感じることってありますが、きちんと科学的に実証されているんですね。

次に、ちょっと「おっ」と思うようなコーヒーのいいところ。

けっこう栄養豊富&抗酸化物質たっぷり
コーヒーで栄養補給しようと思って飲む人はあまりいないと思いますが、けっこう栄養豊富。疲労回復に役立つビタミンB1、脂質を燃やしてエネルギーに変えるビタミンB2、皮膚の健康に影響があるビタミンB3、消化を助けたりストレス軽減に役立つビタミンB5、さらには葉酸、マンガン、ポタジウム、マグネシウム、リンなどを含んでいます。

とはいえ、コーヒー一杯から摂取できる栄養量は知れているので、これに関してはそれほど重要でないとも言えます。コーヒーでむしろ注目されているのは、抗酸化物質「ポリフェノール」を多く含んでいる点。しかも、野菜やフルーツに含まれているポリフェノールと比べて体が吸収しやすいのだとか。ポリフェノールは赤ワインにも含まれていますが、コーヒーほど毎日飲むものでもないですしね。ちなみに、ポリフェノールは皮膚の酸化を防ぐことで肌のシワやシミの予防になる上、ガンや動脈硬化などの原因物質である活性酸素を消去してくれるという実験結果もあり、これは大注目ですね。

運動前に飲むといい。ダイエットに効く
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体内に取り込まれたカフェインは、脂肪細胞の中に入って、脂肪分解酵素を活性化してくれます。そして、分解された脂肪は脂肪酸として血中に放出されます。血中に脂肪酸が出ている間にランニングなどの有酸素運動をすると、運動のエネルギー源として使われ、脂肪酸は減っていきます。逆に運動をしないと脂肪酸はまた脂肪細胞に戻ってしまうので注意が必要です!

食後のコーヒーは消化を助ける
コーヒーは胃壁の細胞に分布する迷走神経を刺激して胃酸の分泌を促すので、食後に飲むと消化を助けてくれます。

さらに、「えっマジで!?」と思うコーヒーのすごい効果。

コーヒーを飲む人は長寿?
まず、ハーバード大が約13万人を対象に行なった研究によると、コーヒーを飲む人が心血管疾患やがんなどによって死ぬリスクが高まることはないそうです。さらに『New England Journal of Medicine』で発表された約40万人を対象にした研究によると、50歳〜71歳の人で1日に4〜5杯コーヒーを飲む男性は12%、女性は16%も死亡リスクが下がるんだとか。

アルツハイマーやパーキンソン病の予防になる?
コーヒーを日常的に飲む人は、そうでない人に比べて65%もアルツハイマーにかかるリスクが減るという研究結果が。また、同じくコーヒーを飲む人は32〜60%もパーキンソン病にかかるリスクが減るという研究結果が出ています。

糖尿病の予防になる?
いくつかの研究結果によると、コーヒーを日常的に飲む人は23〜67%も糖尿病になるリスクが減るとか。さらに、合計で約45万人が対象となる18の研究結果を統合したリサーチによると、毎日コーヒーを飲む人は2型糖尿病にかかるリスクが7%減るのだそう。コーヒー、侮れないです…!

肝臓病の予防になる?
「がんと免疫力のおはなし」でも触れましたが、肝臓はきちんと機能しないと命に関わる重要な内臓器官。ある研究結果によると、コーヒーを毎日飲む人が肝硬変になる確率はそうでない人に比べてかなり減り、特に1日4杯以上コーヒーを飲む人は肝硬変になるリスクが最高で84%も減るそうです!また、コーヒーの常飲者は40%も肝臓がんにかかるリスクが減るという研究結果も。これはかなり耳寄りな情報ですね。

うつや自殺の予防になる?
2011年に発表されたハーバード大の研究結果によると、コーヒーを頻繁に飲む人は鬱になるリスクが20%も減るとか。さらに、いくつかの研究で1日に4杯かそれ以上のコーヒーを飲む人は、自殺をする可能性が53%減るのだとか。これは上記の覚醒作用やリラックス作用が関係してくるんですかね。

コーヒーの悪いところ

いや〜、コーヒーって、本当にいいもんですね!(水野晴郎風)でも、注意しないといけない点もあります。

悪玉コレステロール値を上げる?
コーヒーに含まれているカフェストールには悪玉コレステロール(LDL)の値を上げる働きがあります。ちなみに、このカフェストールはコーヒーの油分に入っていて、ペーパーフィルターで入れればかなり濾せるそうですが、僕の好きなフレンチプレスだとやはりかなり残るようです(ゲッ!)。この油分がコクになっておいしいんですけどね…。気になる人はペーパーフィルターで入れた方がよいかもです。毎日飲むものですし。

不安障害や睡眠障害につながる

コーH−飲んでずーん(?)

コーヒー飲んでズーン(?)

カフェインの摂り過ぎは、イライラや不安障害、動悸、パニック障害などにつながります。また、カフェインの覚醒作用により、睡眠障害に陥る人もいるようです。これはかなり個人によるところが大きいですが、もしコーヒーを飲んで心臓がドキドキしたり、妙に興奮したりなど感じる人は、コーヒーの飲み過ぎもしくは飲むこと自体を控えた方がいいかもしれません。

胃が荒れる
「コーヒーは胃壁の細胞に分布する迷走神経を刺激して胃酸の分泌を促すので、食後に飲むと消化を助けてくれる」と上記しましたが、逆に、空腹時にコーヒーだけ飲むと、胃酸が何も入っていない胃の中に分泌されてしまい、胃が荒れてしまいます。もし朝にコーヒーだけ飲むのであれば、ブラックではなく胃の表面を保護してくれる牛乳を入れたカフェオレなどにして飲むのがいいようです。ちなみに僕は、朝は1杯の水→スムージー→コーヒーという感じで飲んでますが、調子いいです。

鉄分の吸収が悪くなる
コーヒーに含まれるクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)は鉄分と結合しやすく、結果、鉄分の吸収が悪くなるそう。これ、女性はちょっと気になるところですね。食事で鉄分を意識して摂った後は、しばらく時間を置いてからコーヒーを飲むか、または飲まない方がいいかもしれません。

中毒性、離脱症状がある
カフェインは中毒性のある物質であり、通常的にコーヒーを飲んでいる人が急にコーヒーを飲むのをやめると、頭痛や倦怠感、イライラなどの離脱症状を覚えることがあるそう。僕も毎日コーヒーを飲んでいますが、2〜3日コーヒーを飲まなかったらこういう症状が出るんですかね。ちょっと怖いかも…(汗)。

砂糖やクリームにむしろ注意
コーヒーを飲む際は、砂糖やクリームの使い過ぎに注意を。砂糖の摂り過ぎは高血圧や心臓病、ガン、糖尿病などさまざまな成人病の原因になりますし、コーヒークリームなどは脂肪分も多く、あまり体にいいとは言えません。そもそも、おいしいコーヒー豆をおいしく入れて飲むなら、一番はやっぱりブラックだし、コーヒークリームとかかなり邪道だと個人的には思います。皆さん、コーヒーはブラックでいきましょう。

口臭によくない&歯が茶色くなる?
コーヒーを飲むと口が臭くなること、ありますよね。コーヒー自体が口に残った臭いもそうですが、空腹時にコーヒーを飲んで胃酸過多にしてしまうのも、口臭に悪影響がありそう。あと、毎日コーヒーを飲んでいるとけっこう歯が黄ばんできますよね。コーヒーを飲んだ後はしっかり歯を磨く、あと定期的に歯医者さんでホワイトニングするっていうのもアリかもしれません。アメリカ人と日本人って違うところがたくさんありますが(良い悪いではなく単なる違い)、アメリカ人は本当に皆、歯が白いです。それに比べると自分を含めて日本人は本当に歯が黄色いな〜と思います。近々、またホワイトニング行こうかな…(書きながら反省)。

妊婦はやはり避けておいた方が無難
以上のように、コーヒーにはさまざまな悪影響もあります。妊娠中の女性がコーヒーを飲んだ場合、カフェインは血管を通って胎児に届くことを考えると、妊婦さんはコーヒーを控えた方が無難だろうなと思います。カフェインは子どもの発達障害や死産につながるなんていう説もありますしね。

さて、以上がコーヒーのメリット、デメリットになります。結構コーヒーを飲むメリットってあるようですね。毎日飲むものなので、できればオーガニックだったりフェアトレードの豆を選ぶと、体にも社会にも環境にも優しくてベターです。日本でもBlue Bottle COffeeなんかはオーガニックの豆も扱っているので、一度試してみては?

最後に、カフェインには良くも悪くもさまざまな体への影響があるので、アメリカではカフェインを抜いた「Decaffeinated Coffee」、略して「Decaf Coffee」(ディキャフ・コーヒー)がかなり一般に浸透しています。日本語で言うと「デカフェコーヒー」ですかね。スタバはもちろん、最近はこのデカフェコーヒーが飲めるコーヒーショップは日本でも増えてきていますし、そういう豆も売っています。普段からコーヒーを飲んでいて体調が優れないというような人は、一度試してみて体調の変化を見てみてもいいかもしれません。

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Totti

LA在住歴10年超のアラフォー日本男児。日本では書籍や雑誌、Webメディアの編集および執筆、広告制作などに従事。現在はフリーランスの編集者&ライター。

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